
2003年度まで鴎友学園の英語の授業では一般的な検定教科書を使っていました。その時は、1文ずつ理解することに目がいってしまう生徒、わからない単語が出てくるとそこで立ち止まってしまう生徒が少なからずいました。
「英語を英語のまま理解し、社会に出てからも役に立つ本物の英語力を身につける方法はないだろうか?」
この問いを真剣に考えて行き着いた答えが“授業を英語で進めること”と“多読を取り入れること”でした。そこで2004年度から、使用教材を外国語学習者用に編集された洋書や、英語を母国語として使う子供向けの絵本に変更しました。
授業では、『Oxford University Press(オックスフォード ユニバーシティ プレス)』が出版している外国語学習者用のテキスト『Open House(オープンハウス)』をメインテキストとして、文法や単語、英語表現などを学びます。絵や写真、そしてそれを解説する先生の表情などを手がかりにその英語がどんな意味かを想像し、先生や友達とコミュニケーションを取りながら授業は進んでいくのです。もちろんテキストには文法の説明や練習問題も含まれているので、授業で必要な文法はきちんと身につくようになっています。

中学1年の1回目の授業は、教員が大きな絵本を読み聞かせることから始めます。2回目以降は、毎回授業の終わりに10分程度、生徒一人ひとりが自由に絵本を選んで読めるように読書の時間を設けます。初めは文字の少ないレベル1の絵本から読ませるようにするので、生徒は絵を見ながら無理なく内容を想像することができます。絵本のレベルが上がるにつれて徐々に文字が増えていきますが、たとえわからない言葉が出てきてもそこで立ち止まることなく内容を読み進める習慣がついていくのです。
授業時間外にも多読に取り組めるよう、LLライブラリーと図書館には、さまざまなジャンルの洋書を合計1万冊ほど揃えており、生徒はその中から自分の好みやレベルに合った本を借りることができます。そして『Book Diary(ブックダイアリー)』という読書記録ノートに読んだ本の単語数や感想を書き込んでいくのです。「100万語読むこと」を目標に、生徒はそれぞれのペースで英語を読んでいます。
多読をすることで新しい英語表現に出会い、語彙を増やすことができます。また、授業で学んだ表現や文法を再確認することで、生徒たちは楽しみながら本物の英語を身につけることができるのです。
英語教諭 矢口ひさか。鴎友学園8年目。よりよい授業を目指し、日々挑戦を続ける。全力で生徒に接し、何事にも
一生懸命に取り組むことの大切さを伝えたいと語る。座右の銘は “Where there is a will, there is a way.”






