
私は、生徒の成長に合わせ、中学から高校にかけての6年間を2年ごとに分けて数学の授業を進めたいと考えています。
中1から中2までのテーマは“数学に慣れること”。まずは数学に興味を持ってもらえるように、数学教員同士で数学を体感できる課題のアイデアを出し合い、楽しみながら理解できる授業づくりを心掛けています。例えば“図形の対称”についての授業では、折り紙で模様を作ることで生徒はさまざまな折り方から対称図形を学んでいきます。そして高校数学を学ぶ中3からの2年間は今まで培った基礎を土台にして論理的思考を、さらに高2から高3にかけては、より総合的に考え、多角的に見る力を養い、自分の考えを表現していく力を高める授業を行っています。
また、数学に限りませんが、生徒にとって中2までは“生活力の基礎”を作るもっとも大切な時期です。授業以外でも普段の生活に関わる細かなことまで、教員が協力して一人ひとり丁寧に教えています。
実は私は教員になる前、バックパッカーとして世界中をまわりました。アフリカではひとつのランプを囲んで子どもたちに算数を教えたこともあります。そこにいた子どもたちは、日本に比べて決して良いとはいえない教育環境の中で本当に真剣に学んでいました。そこでの体験の一つひとつが私に教えることの喜びを感じさせてくれました。今、鴎友での授業にその“喜び”を活かせることを誇りに思っています。

先ほど例に挙げた折り紙もそうですが、生徒の発想力を伸ばそうと心がけています。例えば、ひとつの解き方がわかった後、別の解き方をした人がいないか聞くようにしたり、私が予想していた解き方と違う解き方をした生徒がいたらその解き方をみんなで共有したりするなど、自分の考えを授業中にどんどん発言させるようにしています。女子の傾向と言えるかもしれませんが、友だち同士で話すほうがより理解しやすいのです。生徒たちは意見を交わすことでいろいろな解法が導き出せることを実感しています。
その他、課題としてオリジナルの文章題を作らせることもあります。提出されるのは個性豊かな作品ばかり。発想力・想像力が豊かになっていることの表れではないでしょうか。
やみくもにたくさん問題を解かせるのではなく、生徒それぞれが持っている力を伸ばすことができる課題を常に考え、適確に与えること。それが私たち教員の役割だと考えています。

夢をあきらめないために、自分に足りないものは何かを考えることではないでしょうか。
鴎友では高2から文理が分かれます。高1でどちらか選ぶことになるのですが、そこでは、成績の良し悪しではなく「自分が本当にやりたいことは何なのか」をしっかり考えてほしいと話しています。その上で、例えば「将来、化学を専門にしたい。しかし理系の成績が悪い」といった場合、何が足りないのか、何が必要なのかを生徒と一緒に考えます。すると生徒は自らその足りない部分を埋めていき、最終的には必要な力を身につけるのです。そのベースとなるのが中1の頃から培われた生活力や発想力なのです。
このような考え方やベースとなる力は、これからの人生においてもとても大切なことだと思います。6年間かけて生徒と向き合い、夢を実現できる生徒を育てていきたいと思います。
数学教諭 新野哲也。鴎友学園9年目。他の教員と連携し、勉強面はもちろんのこと生活面も含めた指導を行っている。
世界一周をした経験から、生徒には本物を大切にしてほしいと願う。座右の銘は “小さな努力を積み重ねる”







