創立当初から、野菜を育てていく園芸に、野菜の構造を学ぶ理科、野菜を食する家庭科を結び付ける、という「合科」という総合学習のような考え方や、生徒の精神的な発達に必要不可欠なものとして園芸の授業は置かれていました。その考えは今も変わらず引き継がれています。校内に広がる畑には四季折々の花や授業で栽培する野菜などの緑があふれています。
校内に園芸実習園があります。中学1年で週2時間、高校1年で週1時間の必修の授業があり、一人ずつに与えられた小さな畑で、花づくり、野菜づくりを通して土に親しみ、日々成長する生命を育てる驚きと喜びを体験します。
中学1年生の園芸のテキストの表紙には、授業で作った押し花をデザインして貼っていき、学年末には自分だけのオリジナルテキストになります。
中学1年生はラディッシュ、インゲン、ブロッコリー、ホウレンソウなどを作っています。一人一人の畑は小さいですが、そこに育まれる生態系は大きな自然の一部なのです。時には虫に大騒ぎになることもありますが、年間を通して栽培に親しみ、とりたての野菜のおいしさを知り、たのしく授業をしています。また花の名前も60種類くらい覚えます。校内にある実際の花を見て観察しながら覚えるのですが、家に花を飾って生活するような心の豊かさにつながるといいなぁと思っています。