2014.05.31
1月27日に亡くなった、第8代校長伊藤進先生を偲ぶ会がホールで開かれ、150名が参加しました。
讃美歌、聖書の朗読、鴎友学園理事浅野攝郎先生のお話とお祈りの後、先生のお好きだったモーツァルトのピアノ曲
「ロンド イ短調 K511」を卒業生の香月安佐子さんが演奏、元校長、旧教職員、卒業生がそれぞれの思い出を語りました。
また、これも先生がお好きだった立原道造の詩に木下牧子さんが作曲した曲を、泉智之教諭が独唱しました。
第2部は学習室に場所を移し、お茶とお菓子をいただきながら、旧・現教職員、卒業生が次々に思い出を語りました。
創立記念式典に於ける校長式辞より引用します。
伊藤先生は敬虔なクリスチャンであり、聖書学の学者でした。家に戻ると夜中まで、ときには朝まで、
聖書の研究に没頭されていたようです。聖書が書かれているヘブライ語やギリシャ語にも堪能で、日曜集会や夜間講座で
講話をされたり、多くの大学の先生などと共にドイツ語の何十巻もある聖書注解書の翻訳出版の中心として働かれました。
目立つことは避けたがる先生で本人のお名前はどこにも入っていませんが、膨大な著書・翻訳書を残していらっしゃいます。
一方、鴎友学園での伊藤先生は、1952年に理数科の教諭となり、化学の先生として、また視聴覚係の先生として活躍され、
1986年から3年間は校長を務めました。ここでも目立つことはなるべく避け、校長の仕事はみんなのやらない
雑用をやることだからと、きれいとは言えない白衣をひらひらさせながら学校中を走り回っていたという印象が残っています。
伊藤先生は、深いキリスト教の理解に基づき、市川先生や石川先生の理想の教育のあり方を簡潔な言葉で表現し、
私たちがいま何をすれば良いかを明らかにしてくださいました。先生の言葉をいくつか紹介します。「〜てもよい」
「学びは遊びだ 今勉強がおもしろい」「喜びと真剣さあふれる学園」「自由と表出」「あれもこれも」
とくに「まず肯定から始めよう」という話の中の次のような趣旨のご発言は、忘れてはいけないものだと思います。
鴎友学園が慈愛と誠実と創造を校訓として掲げる以上、肯定の立場から反対すべき場合があります。
それは、平和を脅かす動き、戦争への傾向に対してでしょう。
戦争と戦争の準備は慈愛に、戦争につきものの宣伝と嘘は誠実に、戦争による大きな破壊と破滅は創造に反します。