鷗友徒然草

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高校3年生の校舎で

2016.05.21

国語の先生が、学校にいろいろな柑橘類の花が次々に咲いていたので最後の一枝を折り、ちょうど古今集を学んでいたので「五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」を添えて高校3年生が学ぶ校舎の入り口に飾りました。
次の日、その横に、古今の歌を元歌にした源氏物語の「袖の香をよそふるからに 橘の身さへはかなくなりもこそすれ」が多分生徒の手によって置かれていたそうです。この歌は、授業で教えるような有名な歌ではなく、教科書にも載っていません。源氏物語が好きで読み込んでいる人が書いたのでしょう。歌の「身さへはかなく」に合わせてか、わざわざ薄墨で書いてありました。
先生は詠み手である「玉鬘」の名を書き添え、さらに同じく源氏物語二十四帖「胡蝶」から、先の玉鬘が歌を返した光源氏の「橘の薫りし袖によそふれば 変はれる身とも思ほえぬかな」を添えたということです。
高校3年生の授業のレベルと、教室に漂う空気が感じられるお話でした。

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