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放射線測定についてのご質問に答えて

2011.11.21

ガンマ線量率とは何か、また、東京は0.0いくつと発表されているのに、鴎友の数値が0.10前後と高いのは、
世田谷のあちこのように近くに放射線源があるのではないかというご質問がありました。
長文になりますがお読みください。

まず、本校では、空間ガンマ線量率(μSv/時)を「ガンマ線量率」と略して使っています。
これは、放射線量の人体への影響の大きさを表す「等価線量」、
すなわち放射線によって人体に与えられたエネルギー量(被曝量)を表すものてす。
「率」がついているのは、短時間で計測した平均値から、1時間あたりの量に換算したものであることを示します。
市販の簡易計測器でもっとも簡単に測れる数値であり、一般的にも重要な数値として公表されているものです。

次に、本校では新年度に入ってから、計測器が品薄になる中、ある程度信頼できて入手可能な機種として
ウクライナ製のMKS-05を購入し、継続して計測しています。ただし、この機種に限らず、この価格帯の機種、
あるいは一般的にガイガーミューラー管式という機種に、絶対的な正確さを求めるのは無理なことだそうです。
定期的に観測しながらだいたいの平常値を確認し、その数値が大きく増えるなどした時には、
除染など何らかの対策をとるということになるでしょう。MKS-05の誤差はメーカーの公称値で±15%ですが、
現在の計測値の誤差が15%以内ということではなく、最大値(9999μSV/h)に対する誤差ということのようです。

また、雨や雪が降ると大気中の放射性物質が地上に降り、空間線量率が上昇するそうです。
微妙なデータの上下は、原発由来だけではなく、降雨などと関係しているものと考えた方が良いでしょう。

さらに、東京大学災害対策本部では、毎日1時間ごとのガンマ線量率を測定して公表しています。
東京大学のホームページから、東京大学環境放射線情報http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/index.htmlをご覧ください。
11月17日、本郷(3)地点(測定位置は地上1m、地面の主たる素材はコンクリート・敷石で、近傍に土壌が存在)では、
空間ガンマ線量率0.10μSv/h〜0.11μSv/hと出ていて、
本郷(2)地点(6階相当)では0.05μSv/h〜0.06μSv/hというデータが出ています。
“平常時の東京大学敷地内の代表的な空間ガンマ線量率は、0.05〜0.3μSv/時程度の範囲に入ると見積もっています。
使用した線量率計の評価精度も考慮して、ここでは値をまるめています。測定地点の近くに
天然石材や敷石などがある場合には、0.3μSv/時に近い値を示す場合もあります。”と説明があります。
地上1mで0.10前後という鴎友の数値が誤差の範囲内で実際の値に近い場合でも、
決して例外的な数値ではないだろうと推測することができます。

もし、放射線源が校内にある場合には、桁の違う数字になっているはずです。
今のところ定点以外の校内でも、極端に高い数値が出ているところはありませんので、ご安心ください。

なお、実測データは原則として月水金の朝、ツイッター、フェイスブックで発信しています。
ツイッター、フェイスブックの鴎友学園公式ページをご覧ください。

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