鷗友徒然草

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7月18日 琵琶演奏会

2012.07.19

鴎友学園の十年ほど前の卒業生で鶴田流琵琶演奏家の水島結子さんと、薩摩琵琶演奏者の後藤幸浩さんをお招きし、
琵琶演奏会・ワークショップがホールで開かれました。約100人が琵琶の演奏と琵琶の歴史のお話を堪能しました。

後白河法皇の今様に後藤さんが曲をつけたデュオから始まり、薩摩琵琶の節で「祇園精舎の鐘の声」の歌唱指導を受け、
全員で「平家物語」の冒頭部分を歌いました。日本の琵琶は基本的に四弦で、楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、筑前琵琶、
薩摩琵琶という歴史をたどりますが、水島さんが弾いているのは近代になって開発された五弦五柱の琵琶であること、
昔の合奏用の楽琵琶は独特の「びょーん」という「さわり」がつかず、アルペジオ奏法的に演奏されていたこと、
明治、大正時代には琵琶が流行し、琵琶を持っているだけでもてたことなど、楽しいお話も聞くこどができました。

圧巻は、平家物語「壇ノ浦」より能登殿最期、義経八艘跳びのくだりで、琵琶の様々の奏法とすばらしいデュオの歌声に
思わず身を乗り出し、曲に引き込まれました。津軽三味線かと思うほどの激しい奏法もあり、私たちが「平家琵琶」で
イメージしているもの哀しさだけでなく、戦闘の激しさや義経の軽やかさ、武者たちの雄々しさや滅びる者の切なさなど、
さまざまなイメージを彷彿とさせる演奏でした。初めて聴く生の琵琶の迫力に圧倒されました。

質疑応答の後、「琵琶を触ってみたい人」に7〜8割の生徒が手を挙げ、次々に舞台に上がって、いま演奏で使っていた
本物の琵琶を、希望者全員が体験できました。堅い木で作られた本体と共に、大きな撥が印象的でした。

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