受験生向けトピックス

【鷗友徒然草】高校2年数学(芸術選択)の作品

DATE : 2025/10/17

毎年、高校2年の数学(芸術選択)の生徒がかもめ祭(学園祭)にむけて「芸術」と「数学」を融合した作品を作ることになっています。毎回すてきな作品が出来上がりますが、今年度の作品も大変すばらしかったです。作成した4名に話を聞きました。

まず、今年度作成したのは「アナモルフォーシス」というものです。これは円筒形や特定の視点から見たときにゆがんだ画像が正常な形に見えるようにするデザイン技法です。円筒鏡を使う円筒式、特定の場所からの視点で考える斜位式などがあり、16世紀の絵画にも用いられているそうです。今回は円筒式のアナモルフォーシスにチャレンジしました。

「アートと数学の融合についてなにが作れるか、色々調べました。黄金比を使って数学的一番美しく撮れるフォトスポットを作る、錯覚アート、などが候補に挙がりましたが、アナモルフォーシスのことを知り、自分達でアレンジできる幅が一番大きくて楽しそう、色とりどりにできそうだしサイズ感もちょうどいい、と思いアナモルフォーシスを作ることにしました。また個人での作品制作も選べましたが、4人で作ったら楽しそう、と思ってみんなで作ることにしました」
「アナモルフォーシスは座標を平面に落とし、鏡にきちんと映るように計算する必要があります。今回は鏡には『かもめのゆうちゃん』を映すことにしました。学園祭の展示なので、受験生がたくさん見てくれる、と考えたときに、鷗友のマスコットであるゆうちゃんが一番鷗友らしさを伝えられると思ったからです」
「鏡に映すゆうちゃんをまずデジタルで描きました(写真4枚目)。それを座標計算が可能なソフトに取り込み、数値を調整しながら平面に描くゆうちゃんを算出しました(写真5枚目)。そして平面には樹脂粘土に水彩絵の具を練り込んだものでデザインをしていきました。この平面デザインのテーマは『理想の鷗友島』にしました。鷗友から橋がかかっていて、海や山などの自然あふれるリゾート地に行くことができるし、学校が所有している大きなビルもあります(笑)。この立体を鏡に映し出すときには、影について考えないといけなかったり、サイズのバランスが少しでも崩れるとゆうちゃんに見えなくなったり、とても大変でした。また、実際の見た目を気にするあまり、鏡に映るゆうちゃんがおかしくなったり、目障りな色になったりしないよう調整する必要もありました。鏡に映るゆうちゃんがかわいくなるよう、粘土に色を塗るなど工夫を重ねました」
「結構完成までに時間はかかったし、学園祭前は切羽詰まりました。あと、私たちには平面の部分がそのまんまゆうちゃんに見えていたので鏡に映すとゆうちゃんになる、という意外性がなさそうに思えて自信は無かったです。なので、学園祭当日、見た人が喜んで、驚いているのを見て嬉しかったです。ちょうど受験生くらいの目線で見るとゆうちゃんが一番良い感じで見えるようになって、気になっていた平面の部分も作っている立場じゃないとわからない、ということもわかって、視点の違いも感じました」
「4人で協力して作るのは楽しかったし、ターゲットを考えて作品を作る、という意識も持つことができるようになりました。数学と芸術が関連していると思えたし、映像作品を制作するときも座標について考えるようになりました。進路について考えるきっかけのひとつになったと思います」

担当の先生からは「完成するのか、心配だったけど、意見を出し合って、微調整を繰り返してステキな作品ができあがりました。中学1年生の幾何の授業で使いたいという担当の先生方がたくさんいて、先輩の作品が後輩たちの授業に利用できたことが、すごくよかったです。」というコメントがありました。

4人が作ったアナモルフォーシスはこのあと学校の正面玄関付近に飾られる予定です。ぱっと見の「理想の鷗友島」もかわいらしいのですが、それが中央に据えられた円筒の鏡に「ゆうちゃん」として映し出されているのを見るとびっくりして「どうなってるのこれ?」と思わず見入ってしまいます。皆さんもぜひご覧下さい。

 

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