【鷗友徒然草】2023年12月第2回日本地域医療学会学術集会で「高校生による地域体験学習とは」発表
この記事はこちらで紹介した「高校2年生がTouch the futureの医療体験に参加しました1」の続編で、2023年度高校2年生(現高校3年生)の昨年12月の日本地域医療学会学術集会での発表についてです。生徒へのインタビューを元に下記事を掲載します。
—————————————–
8月の医療体験のあと、レポートを提出するという課題があり、その際に「学会で発表できるチャンスがありますが希望しますか?」というチェック項目がありました。「自分の今回の体験はすごく大切で大きい体験だったので、それを発信したいし、人に伝えたい」と思って「希望します」と提出しました。高校生の医療体験談を聞く機会があまりないようで、そのため実際に経験した人の話が聞きたい、ということで学会での発表になったようです。
無事に発表できることが決まり、提出したレポートを元に最も伝えたいことを考え、メンターになってくださった医大生、Touch the Futureの方などと話し合いをして内容を深めていきました。資料を作り、リハーサルをし、修正を重ねていく作業はzoomを使って何回もおこない、並行して同じく発表する高校生とのリハーサルも重ねました。メンターの方との話し合いでは自分の奥底にある心の動きに気がつくことができ、自分の思考をより深く強く認識することができました。
学術集会は伊勢志摩でおこなわれ、私は発表の前日に伊勢志摩に行きました。他の発表する高校生とリハーサルをし、互いにコメントを言い合い、練習を重ねました。外でバーベキューをして交流を深めることもできました。
発表のタイトルは「高校生による地域体験学習とは」で、ひとり7分の発表と、そのあとの質疑応答でした。Touch the future以外の発表を学会で見る機会がなく残念でしたが、他は地域医療に関わっている人の話があったようで日本各地から人が集まっていました。自分たちの発表が終わったあとで、そのような人たちから、自分たちの地域でしている活動の話を聞くことができました。また、自分の病院でも高校生を受け入れたい、と言ってくださった先生もいらっしゃって、結果として今年度の医療体験の体験先が増えたそうです。自分たちの発表がそのようなつながりに貢献できたということを嬉しく思いました。
私の発表内容のメインは、難病告知の場面に立ち会ったことでしたが、そこに立ち会ったときに感じたこと、そのあと自分が感じたことなど、提出したレポートを元に準備していく中で、本当に今回の体験が大切で大きい体験だったのだと感じ、このような体験をさせてもらえたことに恩返しをしたいと思いました。
また、他の高校生の発表を聞いて、それぞれの病院によって体験内容が全然違うことがわかり、自分が体験した病院は関係する人たちが皆で話し合って物事を進めていたのだな、という気づきを得ることもできました。病院によってやり方が違うのだと気付くことができました。
また、高校生の中には担当の患者をもたせてもらって思いを聞いたり仲良くなったりしていたり、途中で患者が亡くなってしまったこともあったそうです。医療体験は一日だけとか、zoomだけでおわるところもあるけれど、今回深いところまで関わることができたことがとてもありがたかったです。
参加者の保護者の方が、国民難民高等弁務官事務所に勤めていて、その参加者からは、地域医療と難民支援は、限られた場所や物資、設備でどう対処していくかが似ている、と話してくれました。国際支援にも興味があったのでそういうつながりにおどろきました。
普通だったら出会えない、色々な地域や学校の高校生に会えて、とても不思議な気分です。これからもお互いに励まし合って、色々な、優しさというよりも行動力をもって人々を受け入れ、物事を進めていけるよう、未来に向けて勉強したいです。